イタリア楽描きessay

イタリア・シンプルライフ

Pesto alla genovese「ペーストジェノベーゼ」

初夏から秋までの季節

パスタやサラダにさわやかな香りを

ふりまいてくれる緑の葉バジル。

 

イタリアではバジリコと呼ばれるバジル。

カプレーゼにもピッツァマルゲリータにも

かかせないハーブ。

 

バジル・オリーブオイル

松の実・パルミジャーノ・ニンニク

塩・コショウ

ただ撹拌するだけの簡単ペースト。

 

このバジルペーストの別名が

ペーストジェノベーゼ。

 

手間暇かけた料理のよさとは

別世界のシンプルなひと皿が

混ぜるだけで出来上がる。

イタリア料理の神髄は

この単純さに潜んでいる気がする。

 

炊いた米に混ぜて食べても

バジルペーストはイケる。

たまに肉や魚のソースとしても使う。

 

息子たちが小さい頃はペーストに

ニンニクを入れなかった。

 

野菜をあまり食べない長男が

大好きなメニューなので

本当によくお世話になった。

 

市販のバジルペーストは

ほとんど使わなくなった。

ごくたまに季節外れの時期に

どうしても食べたくなると

購入することもあるけれど

作りたての味とは全く別物。

 

味センサーが発達している次男は

市販品のペーストを嫌がる。

 

他の野菜の虫よけとして

畑にバジルをたくさん植えていた年

週2回くらいのペースで

緑のソースにお世話になっていた。

 

今年は庭の一角に

バジルゾーンでも作ろうかな。

去年は水やりの手間を簡略化するために

鉢植えを玄関先に置いていた。

 

少し手で触れただけで

バジルのさわやかな香りが漂う。

天然の極上の芳香剤。

 

作ってみれば簡単なのに

日本で暮らしていた頃は

なぜか一度も作らなかった。

ペーストジェノベーゼのパスタは

そういうメニューのひとつ。

 

おそらく美味しいオリーブオイルに

出会わない暮らしをしていたから。

 

いつどこで初めて

オリーブオイルを口にしたか

覚えていないけれど

強烈にまずいオイルだった。

 

だからオリーブオイルを

たっぷり使う料理に

まったく興味を持てなかった。

 

今はどこの国にいても

世界中のいろいろな料理を

楽しむことが出来る時代。

 

とはいえ現地で採れたもので

作る料理がやはり

いろいろな意味で理想。

 

その土地に生きる人間に合うもの

必要なものが育ちやすく

身体と環境を健全にすると思う。

 

基本を地元料理に

そしてバリエーションとして

他の地域の食材を使う程度が

全体のバランスが取りやすい。

栄養的にみても経済的にみても。

 

願わくばもう少しだけ

歪んだ仕組みに無理やり捻じ曲げられた

食品が減ってくれればいいな。

 

ジェノバに行ったとき

本場のバジルペーストのスパゲティを食べた。

フィレンツェで注文した

バジリコソースのニョッキも絶品だった。

 

旅先で出会った料理は

不思議なくらいよく覚えている。

五感のすべてをつかって記憶に

刻み込まれるからなのだろう。

 

シンプルなものを味わう。

そんな生き方が好きだ。

食生活は人の暮らしっぷりを

まっすぐ反映している。

 

今年もバジリコの季節が

もうすぐやってくる。

 

pesto (ペースト)

alla genovese (ジェノバ風の)

basilico (バジル)

 

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