イタリア楽描きessay

イタリア・シンプルライフ

Fiori di carta per la Pasqua「復活祭用のペーパーフラワー」

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造花は好きではなかった。

けれど面白そうな材質の紙を見つけて

それで作ってみたら

自分の好みに仕上がった。

 

その後他の材料でも

造花を作るようになり

いつの間にか

人工素材のものでも

嫌悪感が湧かなくなった。

 

使い捨てというのはやはり

腑に落ちないので

なるべく長く使えるように工夫する。

 

今作っているイースター用の花は

オレンジ色と黄色。

特殊しわ加工をしたリボンを

適度な長さに切って広げて使う。

 

静電気が少々やっかいだけれど

屋外でも使える材質なので

玄関のドアを飾ることもできる。

 

 大地や海をなるべく汚さないように

土や水にすっと戻っていく材料を選んで

食べたり飲んだり作ったり

そういうことを楽しむ日々。

 

それが理想の暮らし。

 

けれどすんなりと循環しないモノを

私たちはたくさん生み出して

使い続けている。

 

自分たちの体にも

たくさんの毒をため込んでいる。

 

そこに強い罪悪感を感じて

動けなくなった時期があった。

 

留まっていては水も空気も澱む。

だから手探りで動き始めた。

 

土や水に戻らない素材を

最小限に抑えて

いいな、と感じるものを作る。

 

文字にするとたったこれだけのこと。

そこにたどり着くまでに

長いこと葛藤をしていた。

 

過去の栄光にしがみつくように

過ぎ去った苦悩を

自慢話のように繰り返す人間には

なりたくない。

 

事実、時間は幻で

過去・現在・未来は

直線定規のように並んでいる訳ではない。

 

そういう共通概念を

私たちが作り上げただけ。

 

だから幻の「過去」が

ふとよぎったら

その時点の自分に言う。

「大丈夫だよ」と。

 

イースターは復活祭。

春のお祝い。

 

暖炉の炎もあたたかいけれど

太陽のぬくもりには代えられない。

 

やわらかい日差しに感謝しつつ

今日も手を動かす。

空間をそして日々を彩るために。

 

fiore/i(フィオーレ/リ)=花

carta(カルタ)=紙

Pasqua(パスクア)=復活祭、イースター

 

 

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