イタリア楽描きessay

イタリア・シンプルライフ

Strozzapreti al pesto d'asparagi 「アスパラガスペーストのストロッツァプレーティ」

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今年は通年よりも早い時期に

地元の豚祭り終了。

 

アスパラガスペーストを合えた

ストロッツァプレーティという

ひねり生パスタは昨年のメニュー。

 

とても気に入っていたのだが

今年はシェフが変わり

メニューからなくなってしまった。

 

あちこちでよく聞く

「経費削減」

これがお祭りでも見られる。

 

元をたどれば「祭」は

その地域に暮らす人々が集い

収穫や健康を祝い交流する

という目的だったはずなのに。

 

いつの間にか

祭にさえ「売上」の概念が浸透し

客が入ってたくさん稼いだ年は

「うまくいった」

雨が降り、寒くて人が売り上げが伸びなかった年は

「うまくいかなかった」

と声を揃える。

 

このアスパラガスがたっぷり使われるメニューも

おそらく経費を減らすために

なくなってしまったのだろう。

 

 定番メニューのこれも

味がしっかりしみ込んだソーセージではなく

ひき肉に代わっていたようだ。

コクのある生クリームを水で薄めていて

とても食べたいと思えない味になっていた。
yluna.hatenablog.com

 

今年のシェフが悪いわけではない。

 

「お金を稼がないといけない」

という既成概念にとらわれ過ぎている

集団意識がもたらしたことだから。

 

赤字にするわけにはいかないが

企業ではないのだから

過剰な利益を追及する必要はないのに。

 

ボランティアで

手伝いをした地元の人々に

お祭り最終日の翌日

夕食が振る舞われる。

 

その日のパスタソースは

メニューにはない

とても美味しいソースだった。

 

「売上」の観念から

解放されたシェフとアシスタントが 

 自分達の情熱を注いだのだろう。

 

 ひとりでも多くの人が

 そんな風に

自分の得意なこと好きなことに

情熱を注いで

見返りも求めず

与えあう世の中になればいい

と願っている。

 

 

strozzare ストロッツァーレ=絞め殺す、窒息させる

prete/i プレーテ/プレーティ=司祭

pesto ペースト=ペースト

asparago/i アスパラゴ/ジ=アスパラガス