絵を描かない期間は
何か他の事をしているけれど
自分の一部が欠落したまま
そこから目をそらして
暮らしている感じがする。
アクリル絵の具を使い始めたのは
イタリアに来て4~5年経った頃。
発色の鮮やかさと使いやすさに惚れた。
水溶性で速乾性。
準備も片付けも簡単。
子供達がまだ乳幼児期だったから
さっと用意できてぱっと片付けられる
という機能性はありがたかった。
筆を持てなくなったのは、あの大震災の後。
大津波によって海の底から
自然分解されない
様々なものが混じったヘドロが
持ち上げられて陸に戻ってきた。
そんな話を聞いて
水に流して見えなくなるものでも
自然分解されないモノは
けして消えないのだ
と、強く強く再認識した。
それから長いこと絵が描けなかった。
エネルギーを取り戻すのに
ものすごい時間がかかった。
ワタシたちは生きているだけで
呼吸をし、排泄をする。
現代生活ではゴミもたくさんでる。
なるべく母なる大地と海に
迷惑をかけないよう心掛けて
生きていくしかない。
colori acrilici(コローリ アクリリチ)
=アクリル絵の具