イタリア楽描きessay

イタリア・シンプルライフ

リクルートスーツは緑色

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大学卒業後、約5年間市役所で働いた。

新人紹介の職場内広報誌に書いた自己紹介がこれ。

yluna.hatenadiary.com

 

公務員として働く人以外

一生お目にかからないものがある。

それは「公僕になる」という宣誓書。

「公のしもべとなります」

その誓いを立てるのだ。

 

出世競争なんて縁のない

のんびりした職場だと想像していたが

意外にも上司や市長・上役にゴマをすって

「早く上にあがりたい」と思っている人がいて驚いた。

 

上司のしもべよりは公のしもべのほうがいい

そう思いつつ働いていた。

 

市役所を選んだ理由は2つ。

OB・OG訪問、企業説明会

そういうものに時間を費やすことなく

卓上の試験と面接で入れるから。

そして私は基本的に定住主義者だから。

 

試験を受けてだめだったら

実家に一時居候させてもらって

お絵かき教室を開こう、と思っていた。

 

受けた市役所はひとつだけ。

 当時は公務員の人気が上り始めた時期で

一次筆記試験の倍率は36倍。

試験会場の教室の中で1~2人だけ通る確率だった。

 

ありがたいことに合格し約5年間世話になった。

 

大学4年生の時に買ったスーツは

フレアースカートで深緑色。

面接試験と「ある攻撃行動」に着用。

攻撃行動の詳細はまたいつか。

 

紺・黒タイトスカートのスーツは

これまでもこれからも

縁のないものだと思う。

 

新人研修の初日

研修指導担当のお姉さんが言った。

「大ぶりのイヤリングやネックレスは避けましょう」

最前列に着席していた私を見ながら。

 

茶色の丸首上着に合わせた

コルクボールのネックレスはその日も外さなかったし

同じ上着を身につけるときには

そのネックレスをつけた。

ぴったりのコーディネイトなのだから

外す必要はないと判断した。

大ぶりのアクセサリーと事務能力は関係ない。

 

あなたの色に染まります

という新人ではなかった。

 

新しい提案をして、本当に

「前例がない」というセリフを聞いたとき

かすかな感動を覚えた。

そしていつかワタシはそこから離れることを確信した。

 

遅刻も多かったし会議中の居眠りも日常茶飯事。

ただしターボエンジン全開のときの仕事は早い。

つくづく公務員には向かない性質なのだ。

 

上司と私と東京都の担当者とたった3人の

打ち合わせの場で居眠りできた

自分の度胸をほめてやりたい。

当然、上司には叱られた。

 

今週のお題「印象に残っている新人」

 

verde (ヴェルデ)=緑

blu scuro (ブル スクーロ)=紺

nero (ネーロ)=黒

 

こちらも更新しました。

ylunamanga.hatenablog.com