イタリア楽描きessay

イタリア・シンプルライフ

ピタゴラスの定理とイタリアの数学教育について

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数学の世界はキライではないけど

私の人生に深く関わることはないだろうなと

若いうちに自覚した。

 

高校では半ば放棄していた。

早弁か居眠りの時間だった。

サイン・コサイン・タンジェントは

深い睡眠へのおまじない。

 

関心度が舞い戻ったのは確率統計。

高校3年生だった。

確率計算と統計グラフってなぜだか好き。

幼いころの記憶が関連してるかもしれない。

その話はまたいつか。

 

さて、ピタゴラスの定理。

円すいや円柱の表面積や体積関連の宿題で

苦労していた長男に手を貸すつもりで

まず自分で解いてみたら

なんだかとても楽しかった。

数学の美しさに久しぶりに感動。

 

ひとひねりしてある比重も絡んだ問題もあって

意外に高度なことをやっているんだなあ、と

イタリアの中学校のレベルに感心した。

 

小・中学校の算数・数学の本を見て思うこと。

たぶん必要ないことまで

深入りし過ぎることが原因で

基本的な計算が苦手なイタリア人が出来上がる。

 

例えば、単位変換。

重さの単位だけでも

Mg(1000kg)、hg(100g)、dag(10g)、dg(0.1g)、cg(0.01g)

この変換を小学校でしつこくやる。

 

イタリアではhg(エットグランモ)が日常的に使われる。

「生ハム2hgください」という感じで。

だから日本のようにmg、g、kgと

hgぐらいにしておけば

混乱するコドモが少なくなるのに。

 

日本ではなじみのない

d、da、hが、長さ、面積、容積、にも登場する。

それぞれの単位変換をすべて小学校でやる。

 

中学校では平方根だけでなく立方根も扱う。

素数表で3000を超す素数も判断させる。

 

どう考えてもやりすぎ。

 

しかも小数点にコンマ(,)を

時間表示に3.25のように点を使うので

日本人にとっては少々ややこしい。

掛け算と割り算の書き方も違う。

 

九九の覚え方もいちいち

「さんかけるさんはきゅう」と

全部読ませて12×12まで覚えさせる。

 

もともと合理性に欠ける人種なのに

さらに拍車をかけているのが

小・中学校のやり過ぎ数学教育だと思う。

 

cono (コーノ)=円すい

cilindro (チリンドロ)=円柱

 

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